本人以外の方
例えば、親、親族、兄弟姉妹、交際相手
から
問い合わせを受けることや
相談の予約を受けることがあります
今では
私はこういったご予約をお断りしています
それは
以下のような理由からです
大事にしていること、重視していることは、人それぞれ
これまでは
私も
あまり制限を設けずに
ご相談者さんご本人以外の方のご相談や
本人以外の方の同席の上でのご相談をお受けしてきました
しかし
こと離婚の相談については
その人の人生の選択に関わることであり
また
恋愛感情という
「感情」に関わるものであるため
本人以外の人は同席しないほうが
いいのです
カウンセリングを
他の人と一緒に受けることができないのと同じように
離婚は
感情が伴うため
本当の感情や
本当の気持ちにアプローチする必要があるために
本人以外の人が同席しないほうがいいのです
例えば親の場合
親の意見や考えに寄ってしまう
ということが考えられます
そういう場合
例えば
本当はこうだったが
親が一緒だったので言えなかった、とか
親の前では言えなかった、とか
親がこうしたほうがいいと言ったからそうした、とか
親がこうしたほうがいいと思うだろうというほうにした、とか
こういった内容では
当然、後から
後悔します
ちなみに
実例として
私の母
私の母は
私の父との離婚訴訟中
弁護士さんとの打ち合わせには
すべて母の兄である
私の伯父に同席してもらっていたそうです
そのため
私が母から聞いている限りでは
母の言い方からすると
母の兄と弁護士さんが
母にとって一番いいであろうと思われる結論を導いた
ようです
もちろん
「母にとって一番いい結論」
なので
客観的にみたら
誰からみても
損はないし
良い結論だったのだろうと思います
しかし
母はその後
何年にもわたって
後悔のようなことをずっと言っていたのを
私は聞かされ続けました
それなら
自分で決めればいいのに
人が大事にしていること
重視していることは
違うものなのだな
と
つくづく思わされた経験のひとつです
本人でないと意味がない
上記のように
こと離婚に関しては
自分で自分の感情に向き合わなければならないので
自分から
この弁護士に
相談したい
と思うようになるまで
本人が動くまで
待つしかないのです
それは
弁護士との相性ももちろんありますし
(親が良かろうと選んでも
本人には合わないということは良くあります)
何より
悩んで苦しんでいる本人自身が
「弁護士に相談すればなにか活路が見いだせるかも」
くらいのことは
もちろん考えつくはずです
でも
それでも
今は
それをしたくない
もしくは
そこへ足が動かない
体が動かない
というときには
おそらく
そういうときなのです
医者に見せればいい
というのとは
わけが違うのが
弁護士の場合
なんとかしなくちゃいけない
でも
なんとかできない
そんな様子を
見るに見かねて
見ている回りの人自身がしんどくなって
それで
弁護士に相談すればなんとかなるかも
というのは
その回りで見ている人たち自身が
自分が楽になりたくて(見ているのが辛くて)
「弁護士にみせればなんとかなるはず」
と思って、弁護士に問い合わせをしたり
予約をしたりしているのではないか
とすら私には思えるのです
それは
アドラー心理学で言われるところの
課題の分離ではないか、と
悩んでいる本人の回りの人が
今、背負っている、持っている「課題」は
その
目の前で
大切な人が
苦しみ、悩んでいるのに
自分はなにもできないという苦悩に
打ちひしがれている
ということではないか、と
そう
なにも、できないのです
なにも、できなくていいのです
これは
私自身も
人を助けるという立場や仕事をしていて、してきて
本当に何度も、何度も
突きつけられた真実です
自分のことは
自分にしか助けられない
究極には
その、あなたの目の前で苦しんでいる人は
あなたに助けるよう求めていますか?
弁護士を探してくるよう、求めていますか?
おそらく
求めていないはず
ただ
本人たちが苦しんでいる
出口のない迷路のような
苦しみを
ただ
一緒に
分け合ってほしくて
それで
あなたに
お話をするのではないでしょうか?
苦しさを訴えるのではないでしょうか?
しかし
もう一度
言います
彼女らは
それを
なくしてほしい
どうにかしてほしい
と
一言でも
あなたに頼んだことはあったでしょうか?
おそらく
それは違うのではないかと思います
彼女らは
ただ、ただ
辛く、悲しいことを
あなたたちに訴えるだけ、ではないかと思います
なにもできないことが
辛く苦しいかもしれませんが
でも
まさに、それが
彼女たちが抱えていること
だから
一緒に
なにもできないことを
苦しいことを
一緒に
感じ
苦しみ
感じ合うことしかできない
というか
彼女らは
むしろ
それを望んでいるのではないのかと
私は思うのです
というのは
回りの方たちが
良かれと思って
予約をして
事務所まで連れてきて
でも
なんとなく
浮かない様子で
相談をされていかれる方たちを見てきたから
ああ、
本当にこの人に必要だったのは
弁護士に相談をすることではなかったのだろうな
と
思わさざるを得ない体験を
何度も、何度も、してきたから
だから
私は今では
ご相談者さんご本人が自ら予約をしない限り
ご相談はお受けしないことにしているのです
一緒に
辛いよね
苦しいよね
嫌だよね
って言ってあげてください
ちゃんと
来るべきときがきたら
元気になったら
自分で
弁護士のところにいくはずですから
もしくは
そのころには
弁護士も必要ないくらい
解決していたり、するものですから
その人(ご相談が必要な方)
が話したいのは、話を聞いてほしいのは
弁護士ではなく
あなた自身(ご相談が必要な方の身近におられる方)なのです
そうやって
寄り添えば
きっと
自ら
弁護士のところへ足を運ぶときがやってくるはずだと
私は思います